ジャパンディスプレイ、新型液晶パネルの「賞味期限」 迫る中国勢と有機ELの衝撃
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海江田三郎 ★
2016/01/18(月) 12:19:35.47 ID:CAP_USER.net

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/011500209/
中小型液晶大手のジャパンディスプレイ(JDI)が、新型液晶パネル「ピクセルアイズ」の量産出荷を始めた。
ピクセルアイズはタッチセンサー機能をディスプレーに内蔵した液晶パネル(インセルパネル)。
昨年12月末から茂原工場(千葉県茂原市)で本格的に量産を始め、他の工場でも今後順次生産していく計画だ。
まずは、中国のスマホメーカー向けに納入を始めた。
今回量産を始めたピクセルアイズは第2世代。第1世代は2012年から出荷している。
第2世代はタッチ感度が大幅に向上したほか、画面の適用サイズが6型から16型まで大きくなったことでパソコンなど
中型パネル市場にも応用できるようになった。スマートフォン(スマホ)向けが売上高の約9割を占めるJDIにとって、
スマホ以外の市場開拓を急ぐうえで戦略商品となる。
第1世代のピクセルアイズを市場に投入した2012年当時、インセルパネルを量産していたのはJDIだけだった。
それまでは液晶パネルの上に外付けのタッチパネル部材を載せて作るのが一般的。タッチ機能を内蔵する
インセルパネルは従来の液晶パネルより価格を引き下げられるため、米アップルの「iPhone」シリーズや
中国メーカーのスマホへと次々と採用が広がった。
JDIがピクセルアイズの第1世代を投入してから約3年。性能の差はまだあるが、2015年に入ってから
中国メーカーが相次ぎインセルパネルの量産を開始した。天馬微電子は昨年4月に量産を始め、
中国レノボグループに納入していると見られる。京東方科技集団(BOE)も量産中だ。
約3年だったピクセルアイズ第1世代の「賞味期限」。競争環境が刻一刻と変わる液晶パネル市場で、
第2世代の賞味期限は一体どれくらいあるのだろうか。
「だいたい1年間くらいと思っています」
JDIの有賀修二社長は第2世代の賞味期限を「1年」と見る。「ブラックボックス化したプロセスが結構入っているので、
すぐには追い付けないと思う」(同)。
とはいえ、第1世代の3年に比べるとその期間は圧倒的に短い。政府の資金支援を受けて、
最新の設備を導入した液晶パネルの新工場を相次ぎ建設する中国勢のキャッチアップのスピードが速くなっていることを示す。
韓国勢は有機ELにシフト
それだけではない。納入先の顧客の戦略にも変化が見える。アップルが2017年以降のiPhone新シリーズの
ディスプレーに有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)を採用すると見られているからだ。液晶パネルで競合する
LG電子は液晶の次を見据えて、1兆円超を投じて新工場を設立。液晶パネルから有機ELの量産に開発資源を集中させている。
JDIも「有機ELの開発投資を増やしていく」としているが、社内では「液晶で勝負し続けたい」との思いは強く、
「既にピクセルアイズ第3世代の開発も進めている」(JDI)。しかし、顧客の要望の変化、そして中国メーカーの猛追により、
鮮度を維持できる期間は「1年」よりも今後さらに短くなるかもしれない。