【社会】スキーバス転落 安全意識、広がり欠く 規制横目に格安競争 (毎日新聞)
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名無しさん@2ろぐちゃんねる: 2016/01/17(日) 06:09:03.97 ID:CAP_USER*.net
毎日新聞2016年1月16日 東京朝刊
長野県軽井沢町で起きたスキーツアーバスの転落事故は、運転手2人と多数の乗客が死傷した。
バス業界は国の規制緩和を受けて事業参入が相次いだが、過当競争を背景にしたツアーバスの事故が続き、国の安全対策が後手に回ってきた経緯がある。今回の事故は、規制強化で業界の安全意識に変化も見え始めた中で起こった。
多くの高速バスが発着する東京・新宿駅西口。15日午後、路肩にバスを止めて乗客を待っていた40代の運転手は「事故は人ごとではない。会社からも安全運転を徹底するよう通知があった」と心配顔で語った。
バス業界が様変わりしたのは2000?02年の規制緩和だ。需給調整の観点から国の免許制だったのが、一定の要件を満たした事業者であれば誰でも参入できる事業許可制へと切り替えられ、貸し切りバス事業の新規参入が相次いだ。
今回の事故を起こしたバス運行会社「イーエスピー」も08年の設立当初は警備業務が中心で、バス事業は14年5月の後発組だ。
ツアー会社が企画し、貸し切りバス会社が運行するツアーバスは、乗り合いバスと違って運行計画を事前に国土交通省に届け出るなどの規制が少ない。過当競争の一方、安全性の問題が指摘されていた。二つの事故がそんな中で起きた。
一つは07年2月、大阪府吹田市でツアーバスがモノレールの橋脚に衝突し、27人が死傷した事故。運転手の居眠りが原因だった。国交省は08年6月、1人が運転できる1日の最大運転距離を670キロとする指針を定め、超える場合は交代運転手の配置を求めた。
もう一つは12年4月、群馬県藤岡市の関越自動車道で起きた事故。ツアーバスが壁に衝突して45人が死傷。運転手が眠気を感じながら運転を続けたとされる。
国交省は12~13年、1日の距離の上限を昼間は原則500キロ、夜間は400キロに引き下げ、運行記録計を使った運行管理を義務付けた。運賃制度も改定し、基準運賃の下限と上限をともに引き上げた。
これによって「コストをかけられない零細業者はかなり淘汰(とうた)された」(都内の旅行会社)という。
旅行会社「ビッグホリデー」(東京都文京区)によると、バス会社の安全対策コストが上昇。旅行会社がバス会社に支払う額も1・5倍ほどに膨らんだ。
今回ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」のツアー料金は1、2泊の宿泊費やリフト代を含めて1万3000~2万円程度。別の旅行会社は
「バス業界全体では安全意識が改善されており以前のような価格では商品を提供できなくなった。うちのツアーは東京?上高地間の場合、バス料金だけで往復1万4000円以上する。キ社のツアー料金は非常に安い。かなりコストをカットしていたのではないか」と指摘した。
これに対し、キ社の福田万吉社長は報道陣の取材に「安全面を削ることは絶対ない」と話している。
都内のバス会社94社が加盟する東京バス協会は、運転手の睡眠時無呼吸症候群の検査費用や車両の安全装置について補助を設けるなど「ハード、ソフト両面から対策を進めてきた」(市橋千秋常務理事)。
だが、安全対策を周知するのは会員企業に対してだけ。今回事故を起こしたイーエスピーは非会員で、こうした対策も業界全体に浸透しているかは不透明だ。【関谷俊介、福島祥、黒川晋史】
■運転手不足・高齢化も
バス運転手不足や高齢化といった業界の課題や、事故の原因の変化を物語る統計がある。
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引用元:毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20160116/ddm/003/040/074000c