ハイアール、米GE家電事業を6370億円で買収で世界5位に浮上

中国家電大手、海爾集団(ハイアール)は15日、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業を買収すると発表した。買収額は54億ドル(約6370億円)で、家電部門の人員や米国での事業基盤を引き継ぐ。
GEは食器洗浄機や冷蔵庫など大型家電を得意とし、家電備え付け住宅が主流の北米市場では高いブランド力を持つ。一方、ハイアールは中国では高いシェアを占めるが、北米など先進国市場の開拓が課題となっていた。今回の買収を機に、ハイアールは先進国への進出を加速する。
英調査会社ユーロモニターによると、家電市場の世界シェアはハイアールが世界7位、GEが19位だ。買収後のハイアール・GE連合は日本のパナソニックや米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)を抜き、米スペクトラム・ブランズ・ホールディングスに次ぐ世界5位に浮上する。
中国の製造業が、先進国企業の知的財産や先進技術を狙う買収案件が相次いでいる。05年には中国のレノボ・グループが米IBMのパソコン部門を買収し、その後の躍進につなげた。ハイアールも同様の戦略を描く。背景には「産業の高度化」を掲げ、製造業を育成する習近平指導部の方針もある。
http://www.nikkei.com/markets/kigyo/ma.aspx?g=DGXLASGM15H9K_15012016FF2000