役立たずのヒト型ロボットに固執した日本。いよいよ落ち目に
ロボット大国と言われた日本だが、最近は今ひとつ元気がない。なぜなのか。東京理科大学工学部機械工学科の小林宏教授が答える。
ー最近、政府もロボット産業の育成を声高に言っています。追い風が吹いていると感じますか。
小林:ロボットが騒がれてきたという実感はあります。ですが、まだ実態が伴っているようには見えません。確かに、日本はロボット大国ではあると思います。工場などで使う産業用ロボットは頑張っていますが、それ以外のところはうまくいっていないのが実情です。
最近開かれたロボティクスチャレンジというコンクールにおいても、日本は最高でも10位で、韓国のロボットが優勝しました。今の日本は、しょせんその程度です。
ー日本が得意と言われてきたヒト型ロボットについて、どう見ていますか。
小林:技術の水準は高いし、見ていて面白いとは思うのですが、役に立つかというと、やはり役には立ちません 。
ー何が足りないのでしょうか。
小林:一番欠如しているのは知能です。日本でも、自律的に学習する人工知能を持たせたヒト型ロボットも出てきています。そうしたロボットが社会を変えるという触れ込みもあるようですが、まあ、おもちゃで終わるでしょう。そもそも、ヒト型でなければならない必然性がないのかもしれません。
ー日本のロボットは元気になれるのでしょうか。
小林:人間の生活や作業に直接関わるようなロボットを、産業としてきちんと育てることが重要だと思います。例えば、体に装着し、人の動きをサポートするロボットは、構造や作り込みにきめ細かさが求められます。そこでは、日本人独特の繊細さ、きめ細かさというものが生かせるのではないかと考えます。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/14/460201/121400021/